【レビュー】強迫性障害 病態と治療

【タイトル】強迫性障害 病態と治療 (著)成田善弘 

(出版社)医学書院 2002年第1版第1刷 2012年第1版第4刷

著者は、1966年に医学部を卒業されたご年配の先生です。初版からだいぶ時間が経過していますが、本書に書いてあることをわかりやすく説明しているサイトもありましたので、内容は現在でも通用するものになっていると思われます。

医療者向けに書かれた本なので、読むのに時間がかかりましたが、興味深い情報もたくさんありました。そのいくつかを、ここでご紹介したいと思います。尚、情報は「論文の引用」を含みますので、必ずしも著者先生が主張しているとは限りません。

男の子の強迫性障害は、「第一子」である場合が多いそうです。また、末っ子も多い、という情報もありました。養育のされ方は、「過保護・過干渉」の場合が多く、症状の特徴は「自己完結型」が多いそうです。これらは私にピタリと一致するため、読んでいて複雑な気持ちになりました(苦笑)。

一方、女性の強迫性障害は、「第二子」が多く、親から「かまってもらえなかった」というケースが多いそうです。また、症状の特徴は「巻き込み型」が多いとのことです。

ご年配の先生ですので、フロイト(精神分析学)にも詳しく、フロイトの研究についてもたびたび触れられていました。

著者先生は、薬物療法も行うし、精神療法も行うそうです。精神療法では、複数の精神療法を「いいとこ取り」で使っているようです。これは何かの理論が先だってそうなったのではなく、結果的にそうなったとのことでした。このことは、強迫性障害を速やかに治す「シンプルな治療法」は見つかっていない、ということを意味していると思います。

治療者の心理の様子も記載されていて、現場でどういったことが起きているのか、とてもイメージがしやすかったです。

全体的にバランスが良い本でしたので、手元に置いて何回も読みたいと思いました。