全般性不安障害の回復アプローチ

不安は誰にでもあるため、その症状(あるいは思考)が「病気」によるものなのか、それとも「本人の性格」によるものなのか、第三者からはとてもわかりにくいです。従いまして、医療者も、または心理士も、あまり適切でない対応をしてしまうことは多々あるかと思います。

一番問題になるのは、薬物療法を行うときだと思います。薬は、誤った判断の下で使用すると、苦痛が大きくなるだけで、デメリットしかありません。そのため、薬の使い方については、患者側も熟知しておく必要があると思います。

薬物療法では、「抗不安薬で様子をみましょう」となることが日本ではとても多いと予想しますが、抗不安薬を連続で何週間も使用することは、私はお勧めしません。

重症の場合は、「SSRI(抗うつ薬)を服用しましょう」という方向になると思いますが、SSRIは服用のしかた(使いこなす方法)が難しいため、患者側にも知識が必要になります。おそらく、本を1冊読んだ程度では、なかなか上手く使いこなせません。

精神療法を使う場合、私なら認知行動療法を選びます。しかしながら、全般性不安障害の認知行動療法は、特有の難しさがあると私は考えています。パニック障害患者や強迫性障害患者の場合、「苦手なもの」がはっきりとありますが、全般性不安障害患者の場合は「はっきりとした不安の対象」がありません。そのため、治療の中間目標が立てにくいと思います。

全般性不安障害の方は、「不安に対する認識」を変えようとしていることが多いように感じます。具体例で言いますと、「不安は生きていくうえで必要なもの」という認識を強め、「不安との付き合い方」を改善しようとしています。これは、ある程度は良い効果をもたらしてくれると思いますが、限界もあると私は考えています。全般性不安障害患者には、「どのように不安と付き合っていけばいいのか?」というアプローチの他に、「どうしたら脳は安定してくれるのか?」という方向からのアプローチも必要だと思います。具体的には「カフェインはできるだけ控える」、ですとか「夜更かしはしない」といったようなアプローチです。脳の動きに注目して、生活習慣を見直していくといいと思います。